spec espace 2021 A/W Collection ~第3回 メガネの魅力を再発見~

30 November 2021

spec espace 2021 A/W Collection ~第3回 メガネの魅力を再発見~

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スペックエスパスの中でも人気が高いブロウタイプにこの度、新色が加わりました。
数あるメガネフレームの中でも、個性派とされるブロウタイプ。ブロウタイプとは、フレーム上部が眉毛のように強調されているメガネです。とてもユニークな形ですが、そのルーツはどこから来たのでしょうか?

古き良きアメリカの象徴としても知られる1950年代。その当時、米軍の将校だったモント氏は自分の眉毛が薄いことに悩みを感じていました。そこで世界最古のメガネメーカーでもあるAmerican Optical(アメリカンオプティカル)に、自分を威厳のある人物に見せたいとメガネ製作を依頼したことが始まりだそうです。その後、彼のためにデザインされたメガネは世界中の人に広く受け入れられました。そんな面白いエピソードを持つブロウタイプですが、今ではレトロな雰囲気がカッコ良く、20~30代を中心に幅広い世代から人気を得ています。


「ES-2063 Col.07」(ブロウ型)
※6色展開

艶のあるブラック(新色col.07)と光沢のあるゴールドの2色の組み合わせが、メンズ好みの洗練された雰囲気を醸し出しています。非常にクールな印象を受けるアイテムですが、実は細部にいろんな工夫がなされていました。もう少し詳しいお話をオプト. デュオの齊藤さんにおうかがいしました。



艶やかなブラックとゴールドの組み合わせはエッジの効いた色使いですね。
ー「今までのモデルは、肌馴染みが良いマット系を採用していたんですが、逆にメガネとしてのアクセントが少し弱いところもあって。この艶ありは、ちょっと物足りなさを感じていた方にも、インパクトが抜群だと思います。知的な印象を与えられるので、スーツを着られる方にも違和感なくかけていただけます」

直線のようにも見える、ブロウタイプの良い点は?
ー「特徴的でありながら、サイジングの自由度が高いメガネかもしれません。フレームが上部だけなので、レンズを大きくすることができるんです。しかも、視界に下リムや金属類が入らず視野がかなり広く感じられますよ」

フルフレームとブロウタイプでは、耐久性に違いはありますか?
ー「シートメタルはバネ性に優れているので、レンズ全体を囲んでいるメガネとそれほど変わらない耐久性を誇ります。また、エスパスのヒンジレスのタイプはテンプルエンドを下のリムに引っ掛けて折り畳みますが、このタイプは下リムがないので、ブロウの部分の内側に引っ掛けて収納できるようになっています。メガネをかけているときは、そのフックが目立たないように、水平に取りつけるなどの工夫をしています」




ブロウに付けられたU字型のフック。
正面から見るとブロウ内側部分に隠れてくれます。

ネイビーやブラウン、シルバーなどの目立ちすぎないカラーリングにも関わらず、ブロウタイプをかけるだけで、目元をキリリと引き締めてくれて、仕事がデキそうな雰囲気を演出できます。




「ES-2162 Col.02」(スクエア型)
※6色展開

そしてブロウタイプから派生して完成したモデルが「ES-2162」です。
ブロウメガネに比べると、下リムがあることでしっかりとした掛け心地に仕上がっています。このシートメタル(βチタン)は、スプリングバックと呼ばれるバネ性が非常に強いことで知られる特殊素材。しかし、1枚のシートであるがゆえに立体感を出しにくいという側面も持っています。そこで、まるで折り紙を折るようにシートメタルをカクカクと直角に折り曲げて成形することで、ブリッジの高さを出すように試みています。さらに、全体のシェイプが際立ち、メタリックなブリッジからはソリッドで美しい表情が生み出されています(色はオールブラックもあり)。
このフレームは複数のシート状βチタンで構成され、厳密にはブリッジが1枚、リムがレンズ分2枚と計3枚のシートメタルを組み合わせた複雑なもの。緻密に計算されたカーブと直角のブリッジを調和させたところにもデザイナーの創意工夫が感じられます。




1枚の金属を折り曲げて造られたメタルブリッジ(中央部)

2021A/Wコレクションでは新作のサングラスが2つあります。1つは今回グッドデザイン賞を受賞した「ES-1991」で、もう1つはサングラスの定番・ティアドロップです。




「ES-2191 Col.04」(ティアドロップ型)
※リニューアルモデル、4色展開

エスパスのサングラスの中でも、特に海外からの反響が大きく再販の声が絶えなかったモデルを再構築したものがこちらです。クラシックなフォルムが魅力のティアドロップとクセのあるツーブリッジを、1枚のシートメタルで見事に体現しています。フロントにはアクセントとなる4つの金具があしらわれ、一際目を引くデザインです。

海外から高い評価を得ている理由の1つとしては、かなり大きめなティアドロップであること。国内では一般的に掛けやすい形やサイズが主流であるのに対して、韓国や台湾ではどっしりしたデザインや大きめのシェイプが好まれる傾向にあり、大胆なサイジングに人気が集まると言います。また、他人と被ることのない斬新なデザインは、毎日を楽しい気分にさせてくれるはず。日常のアクセントに取り入れるなど、男女を問わず挑戦してほしいファッションアイテムでもあります。改めて「メガネやサングラスで人の印象は変わる」ことを再認識させてくれます。
(次回へ続く)

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